まずは、代表的な屋根瓦の種類をご紹介します。
陶器瓦を釉薬瓦ともいい、粘土瓦の一種です。
粘土を瓦の形にかたどったものの上に釉薬(うわ薬)をかけて、窯の中に入れて高温で焼き上げた瓦のことを指します。
陶器瓦と同様粘土瓦の一種です。
日本建築のお城や社寺の屋根に多く使われ、
深い味わいを醸し出しています。
ただ、表面の炭素膜が年月の経過と共に剥がれ落ち、変色していきます。
また、水が浸透しやすく塩分を含んだ水(海水等)による塩害、寒さによる凍害等が起きることがあります。
天然のスレートと人造のスレートがあり、
一般には人造のスレートが普及しています。
陶器瓦やいぶし瓦と比べ、重量が軽いことから、プレハブ住宅に多く採用されていますが、
平たいスレートの場合、屋根地(木材)部分の通気性が悪く、木材の腐食や劣化をまねくことがあります。
またセメント瓦のようにメンテナンス(塗装)が必要となります。
セメント瓦
セメント瓦は、セメントと砂で成型した瓦です。
瓦本体には防水性能がほとんど無く、塗料で着色します。
約5〜7年ぐらいで塗装をしないといけません。
また、モニエル瓦等の乾式洋瓦は、塗料が特殊です。
具体的症例と対策方法
瓦屋根の美しさのひとつは、縦・横・斜めの線が通っていること。
写真は瓦がずれて、瓦と瓦の間にすき間ができてしまいました。
すき間からの雨漏りが心配です。
部分修理のみでよい場合
台風や地震が原因であれば、傷んでいる箇所のみの修理で大丈夫です。1平方メートルあたり1,500円〜
葺き替え・葺きなおし
(下地がしっかりある場合)
築15年以内で、他に傷んでいるところや傷みそうなところが発見された場合は、
いくつもの箇所を修理するより全体を葺き直した方がよい場合もあります。
1平方メートルあたり1,500円〜
葺き替え・葺きなおし
(下地が風化している場合)
築15年以上経っており、いくつもの傷みが発見された場合は下地からの修理が必要です。
1平方メートルあたり5,500円〜
酸性雨の影響で谷(屋根の二つの傾斜面の流れの合う部分)が腐食する場合もあります。
写真は瓦がズレて、中の銅板も腐食して穴が開いています。
います。こうなると雨漏りの心配が生じます。
部分交換
全体の交換
手前の棟が一部壊れています。
のし瓦が3段に詰まれ、その上に紐丸瓦がかぶさっているのが正常な姿です。
棟からの雨漏りが心配です。
部分修理のみでよい場合
台風や地震が原因であれば、ズレの部分の補修のみで大丈夫です。1平方メートルあたり5,000円〜
全体修理
(土台がしっかりある場合)
1平方メートルあたり5,000円〜
全体修理
(下地が風化している場合)
1平方メートルあたり17,000円〜
棟瓦を固定しているしっくいが崩れて、中の土を露出させてしまった例です。
土からの雨水進入が心配です。
部分修理のみでよい場合
土台が壊れていない場合は剥げたしっくいを塗り直だけで大丈夫です。1箇所 1,000円〜
全体修理
(土台がしっかりある場合)
1平方メートルあたり1,500円〜
全体修理
(下地が風化している場合)
1平方メートルあたり2,500円〜